家族名義の生命保険料や国民年金は控除に含めてOK?

扶養控除

日本国民は一人一人自分の確定申告を行います。

他の人の確定申告をすることはありません。

確定申告は個人の義務だからです。

しかしこんな疑問を持ったことはありませんか?

「子供の生命保険料や妻の国民年金を自分が払っているとき、これは控除に含めちゃダメなの?」

今回は、自分が払った家族名義の生命保険料や国民年金保険料の控除に関してお答えします。

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家族名義の保険料とは

まず家族名義とはどういうことでしょうか?

例えば、幼い子供の生命保険料や大学生の国民年金保険料があります。

彼らは収入がないため、まず自分で保険料を支払うことはできません。

また、収入がないため確定申告をする必要がありません。

いわゆる「扶養に入っている」状態です。

このような場合、多くは親が子供たちの為に保険料を支払っています。

また、夫が妻の分も支払っている場合も多く見受けられます。

このようなケースを家族名義の保険料といいます。

家族名義の保険料は控除に含められる?

では、家族名義の生命保険料や国民年金保険料を自分の確定申告の控除に含めていいのでしょうか?

生命保険の場合

国税庁のホームページにはこう書かれています。

生命保険料控除の対象となる生命保険契約等とは、一定の生命保険契約等で、その保険金等の受取人のすべてをその保険料の払込みをする者又はその配偶者その他の親族とするものをいい、契約者が誰であるかは要件とされていません。

したがって、この要件が充たされている限り、保険料を支払った夫の生命保険料控除の対象になります。

つまり大事なのは契約者ではありません。

保険金の受け取りが誰かということです。

保険金の受け取り人が、配偶者又は親族であれば控除に含められる

国民年金の場合

国税庁のホームページにはこう書かれています。

居住者が自己又は自己と生計を一にする配偶者その他の親族の負担すべき社会保険料を支払った場合には、その支払った金額をその居住者の社会保険料控除の対象とすることができます。

ここで鍵となるのは「居住者が自己又は自己と生計を一にする」という点です。

例えば、自分の子供と1月から4月まで同居していて、5月から子供が別の都市へ引っ越したとします。

引っ越し後の生計が別の場合、親は1月から4月分の国民年金保険料を控除として入れることができます。

「生計を一にする」とは同居とは違いますので、仕送りして子供の生活費を出している場合は、「生計を一にする」と認められます。

その場合は、引っ越し後の国民年金も、控除の対象にできます。

支払った日付と支払った場所に注意が必要

国民年金保険料は、4月から3月という周期で支払います。

確定申告の1月から12月という算定時期とは異なるため、控除に入れる保険料を計算する時は、支払った日付に注意が必要です。

国民年金保険料の支払い方法は2つあります。

一つは口座引き落としです。

この場合は日本年金機構より送られてくる証明書によって確認できます。

もう一つは納付書で支払う場合。

当年の分は控除証明書に反映されていますが、当年以前の分を納付書にて支払った場合は、当年分の証明書では確認できません。

当年以前の納付額でも、納付日が確定申告する年であれば控除に入れることができます。

また、来年分を前納する場合も、日付が確定申告する年の日付であれば控除へ入れることができます。

介護保険の場合

介護保険料も、夫が支払った場合は夫の申告に含めることができます。

しかし、支払った場所に注意が必要です。

Q自分の妻の公的年金から介護保険料が天引きされている場合、夫の控除に含めていいのか?

Q入れることができません

なぜなら天引き(特別徴収)ということは、妻の口座から直接介護保険料が天引きされます。

これでは夫が払ったとはみなされません。

しかし納付書で介護保険料を支払ったのであれば、夫が支払った可能性も十分にありますので、控除に含めてOKになります。


このように、家族名義の各種保険料は、

  • 支払方法
  • 受取人
  • 日付

など様々な要素が関係しているので注意が必要です。

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One Response to “家族名義の生命保険料や国民年金は控除に含めてOK?”

  1. ながい より:

    良いことを教えていただき、ありがとうございました。
    自営業(妻と両親)後、過去10年間自分のみしか申告しておりませんでした。
    28年度分から家族名義の保険料を控除にいれても、税務署の見解はかわらないのでしょうか?
    不安ですが、今回より家族名義の分も含めてみます

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