【確定申告】医療費控除に予防接種や人間ドッグは含めていいの?
医療費には二つの面があります。
病気の治療と病気の予防の二つです。
最近では病気にかかって病院のお世話になるのではなく、予防治療という言葉を多く聞くようになりました。
では確定申告の医療費控除に、予防のための医療費は含めてもいいのでしょうか?
予防のための医療費は保険外であることが多いため、医療費も高額になります。
これが含められれば、医療費控除額も増え、大きな節税になりますよね。
ここでは予防のための医療費に焦点を合わせて特集したいと思います。
予防のための医療費の大半は控除に含まれない
予防のための医療費にはどんなものがあるのでしょうか?
まず予防治療の代表的なものとして、予防接種があります。
インフルエンザの予防接種や海外へ行く前に行う各種予防接種は、医療費控除の対象とはなりません。
また、子供の成長に合わせて行う予防接種も医療費控除の対象となりません。
では病気予防、早期発見のための人間ドッグの費用はどうでしょうか?
これら人間ドッグは保険外で高額になることも多いですね。
医療費控除に入れられたらいいなと思われる方も多いと思います。
しかし予防、早期発見のための健康診断や人間ドッグは医療費控除の対象とはなりません。
なぜなら、これらは疾病を治療するものではないからです。
そもそも医療費控除の概念は、病気やけがの治療を目的とした場合の費用に限り適用できることになっています。
健康診断や人間ドックは、自分が健康かどうかを確認することや大病になる前に自分の体を知ることが目的なため、医療費控除の概念と一致しないのです。
予防接種や人間ドッグでも医療費控除に入れられるものがある!
上で述べたように、基本的に予防接種や人間ドッグは医療費控除の対象に含めることはできません。
しかし中には、医療費控除に入れられるものがあるって知ってますか?
例外があるのです。
B型肝炎ワクチンの予防接種
通常この予防接種は、海外へ旅行や移住される予定のある方が多く受けているものです。
このような目的の予防接種は上記で述べた通り、医療費控除に含められません。
しかし、次のような場合は医療費控除に含められます。
国税庁のホームページによると
「B型肝炎患者の親族(その患者と同居する家族に限ります)のB型肝炎ワクチンの接種に要した費用については、医師による診療又は治療を受けるため直接必要な費用として医療費控除の対象として取り扱われています」
とあります。
では、なぜこのようなケースは医療費控除の対象となるのでしょうか?
それはB型肝炎の感染経路の主なものは、血液、性的接触、母子感染とされている事と関係があります。
B型肝炎患者の介護に当たる家族は、感染する可能性が高いですよね。
ですので、その家族にB型肝炎ワクチンを接種することは『医師によるB型肝炎患者の治療の一環として必要』とみなされているので、医療費控除の対象として含めて良いことになっています。
人間ドッグで医療費控除の対象となるケース
健康診断や人間ドックで重大な疾病が発見され、その後も継続的に治療を行った場合は医療費控除へ含めることができます。
なぜならこのようなケースの健康診断や人間ドックは、治療に先立って行われる診察と同様に考えることができるので、医療費控除の対象となるのです。
この事は、国税庁のタックスアンサーに書かれています。
病気になって辛い治療のためにお金を使うより、適切な予防で医療費を減らす方が良いはずです。
予防の為の医療費の多くは医療費控除に含めることはできませんが、自分の体をきちんと管理し健康な毎日を送りたいですね。
私たち誰もがいつ病気にかかるかわかりません。
医療費控除についての正しい知識も忘れず、確定申告へ備えていきましょう。