【確定申告】診断書がないと医療費控除が出来ない領収書とは
確定申告の医療費控除用に集めた領収書は、原本であれば通常はなんの問題もありません。
しかし医療費控除を受けたいと思う場合、覚えておかなければならないこともあります。
領収書の原本であったとしても、診断書がないと無効になる領収書があるって知ってましたか？
せっかく集めた領収書。
効力をきちんと発揮できるようにするために何が必要か特集します。
無効になるとはどういうこと？
無効になるとはどういうことでしょうか？
つまり『医療費控除の対象外として医療費の合計から外される』ということです。
そうなると医療費合計金額が下がり、条件を満たさなくなれば医療費控除を受けることができなくなる可能性も。
そのことによって税金の額が増えてしまいます。
一旦支払った、または還付された税金の金額も変動します。
また、無効になりやすい領収書を税務署は特に注意してみています。
どんなものが無効になりやすいのかをきちんと知っておくことは大切です。
診断書がないと無効になる領収書ってどんなもの？
診断書がないと無効になる領収書ってどんなものがあるのでしょうか？
代表的な例を見ていきましょう。
大人の歯科矯正
代表的な一つに歯科矯正があります。
子供の成長や発育を阻害しないように行う歯科矯正は、医療費控除へ含めることができます。
これは医療費控除の明細に続柄が子と記載されていれば大丈夫です。
しかし、大人になって行う歯科矯正はどうでしょうか？
見た目などの美容のため行う歯科矯正は医療費控除の対象になりません
これは治療目的ではないからです。
大人の場合は治療のための歯科矯正なのか美容のための歯科矯正なのか判断が難しいので、医師による診断書を作成してもらいましょう。
歯科矯正の医療費控除まとめ
子供の歯科矯正はOK
大人の美容目的の歯科矯正はNG
治療のための歯科矯正という診断書を作成してもらいましょう
医師から治療の為と認められない場合はあきらめましょう
介護のおむつ代
寝たきりの人のおむつ代も医師の証明がなければ医療費控除に含められません。
おむつ代には、医師から発行してもらう「おむつ使用証明書」が必要です。
この証明書がなければ、おむつの領収書を取っておいたとしても無効になっていまいます。
またおむつ証明書には必要期間が記されています。
必要期間が過ぎた場合は、医師によって再度発行してもらう必要があります。
また領収書にはおむつの使用者が書かれていることが必要があります。
レシートであればおむつであることが明確ですが、領収書であれば何代かわかりません。
領収書の但し書きにおむつ代であることを記入してもらい、あて名は使用者にしましょう。
おむつ代の医療費控除まとめ
おむつ使用証明書が必要
必要期間に気を付けよう
領収書の但し書きは「おむつ代」あて名はおむつの使用者で
温泉利用型健康増進施設
温泉利用型健康増進施設（ケアハウス）の利用についても注意が必要です。
神経痛やリュウマチの人は、治療のために温泉地で湯治の治療を受けるかもしれません。
湯治の費用は原則として医療費控除の対象とはなりません。
しかし医師の指示のもと、厚生労働大臣が認めた施設を利用した場合には、施設利用料・交通費に限っては医療費控除に含めることができます。
この医療費控除を受けるためにも、診断書がなければ無効になってしまいます。
まず、治療のために患者に認定施設を利用した温泉療養を行わせた、又は行わせている旨の記載がある医師の証明書が必要。
そして領収書には、治療のために掛かった費用であることが明記されている必要があります。
温泉利用型健康増進施設の医療費控除まとめ
医師の診断書が必要
厚生労働大臣が認めた施設を利用する事
施設利用料・交通費は医療費控除に含められる
領収書には治療のための使用であることが書かれていなければいけない
上記三点が代表的な例です。
このようなケースであれば、治療費を証明する領収書原本とそれを証明する医師の診断書等が必要となります。
私の勤務先の税理士事務所でも毎年おむつ証明書が間に合わず、確定申告の際に医療費控除を受けられないという方がおられます。
また、大人の歯科矯正で診断書を事前にもらっておられる方は少ないです。
確定申告時期は診断書の発行がとても多い時期となります。
特に大学病院や総合病院は領収書発行までに時間を要します。
早めに確認し用意しておきましょうね。
