期限後の確定申告の仕方とペナルティ回避の方法
確定申告は一か月の間にしなくてはいけません。
確定申告が始まった2月にはまだまだ一か月もあると思ってゆっくりしていたら、あっという間に一か月過ぎてしまったという経験がある人も多いでしょう。
うっかり確定申告の期限が過ぎてしまった・・・
では、期限後の確定申告はどのように行うのでしょうか?
今回は期限後の確定申告の仕方とその影響について特集します。
目次
期限後でも確定申告はできる
期限後でも確定申告はできるのでしょうか?
答えは「できます」
期限後の申告でも、通常の申告と同じように提出することができます。
しかし通常の申告と違って「期限後申告」として取り扱われます。
期限後申告は自主的に行うか、税務署からの勧告によって行うかで扱いが変わります。
期限後の確定申告にはペナルティがある
期限後の確定申告には、いくつかペナルティが課せられます。
重いペナルティから、心がけ次第で軽く済ませられるペナルティまで色々。
ここからは、期限後申告のペナルティについて見ていきましょう。
これは痛い!無申告加算税
期限後申告の場合、無申告加算税が課されます。
では、どれくらい無申告加算税が課されるのか?
国税庁のホームページによると
各年分の無申告加算税は、原則として、納付すべき税額に対して、50万円までは15%、50万円を超える部分は20%の割合を乗じて計算した金額となります。
とあります。
しかし、税務署の調査前に自主的に期限後申告をした場合は無申告加算税が5%となり、かなり軽減されます。
つまり気づいたら早めに申告することが大切です。
申告した日が納付期限を過ぎてしまった場合は、さらに延滞税も加算されてしまいます。
期限後申告の納付期限は申告書を提出した日となりますので、申告と同時に「本来の税額+無申告加算税+延滞税」を支払う羽目になります。
無申告加算税が課されないケース
国税庁のホームページによると
1、その期限後申告が、法定申告期限から1月以内に自主的に行われていること。
2、期限内申告をする意思があったと認められる一定の場合に該当すること。
なお、一定の場合とは、次の(1)及び(2)のいずれにも該当する場合をいいます。(1)その期限後申告に係る納付すべき税額の全額を法定納期限(口座振替納付の手続をした場合は期限後申告書を提出した日)までに納付していること。
(2)その期限後申告書を提出した日の前日から起算して5年前までの間に、無申告加算税又は重加算税を課されたことがなく、かつ、期限内申告をする意思があったと認められる場合の無申告加算税の不適用を受けていないこと。
とあります。
上記を簡単にまとめると、
一ヶ月以内に自主的に申告すればセーフ
5年間ペナルティを受けておらず、全額を法定納期限までに納めればセーフ
毎年遅れることなくマジメに申告していれば、だいぶ情状酌量の余地はあるということですね。
青色申告の控除で55万損する…
期限後申告だと、青色申告の65万控除が受けられず、10万控除になってしまいます。
65万控除は法定期限内に申告する場合に受けられる控除ですので、期限を過ぎてしまうと受けられません。
この55万の差はとても大きいと言えます。
市県民税や国民健康保険は、各個人の所得によって大きく金額が変動します。
事業を営んでいる人は、全体収入から経費を引いたものからさらに青色申告控除額を差し引くことができますので、青色控除額が65万か10万では所得が大きく変わります。
例えば事業収入300万 経費100万の事業所の場合
- 青色65万控除を受けれる場合
事業収入300万-経費100万-青色控除65万=135万円
- 青色10万控除の場合
事業収入300万-経費100万-青色控除10万=190万円
数字で見ると違いが一目瞭然です。
一年間努力して帳簿をつけたのに、期限を過ぎたという理由で最大の控除を受けられないのはとても残念です。
今からできることはないのか?
上記で述べたペナルティを避けるために、今からできることはないのでしょうか?
多くの人が期限後申告をする理由からヒントを得てみましょう。
私の税理士事務所の期限後申告の理由は、下記の2つです。
準備にとりかかるのが遅い(領収書の整理など)
資料の紛失(再発行に時間がかかる)
この2つに対して早めから対策を取っておくことが、期限後申告を避ける助けになります。
準備は1年終わってからというより、毎月こつこつしておくことが大切です。
資料の紛失に関しては、年内に必要資料を確認し、紛失に気づいたら早めに再発行の依頼を出しましょう。