確定申告書のわかりやすい見方
毎年の確定申告の手続き。
本当に頭を悩ませますよね。
税務署に行き、長い列に並び、何とか税務署職員さんの助けを借りて完成させて提出。
または少し高いお金を払って、税理士へお願いして完成させた申告書。
提出まではなんとかこぎつけても、意外に自分で自分の確定申告書を説明できない人がとても多いのが現実です。
あなたは確定申告書の見方を知っていますか?
今回は確定申告書の見方について特集します。
納税額の見方
ではまず自分の確定申告書を見てみましょう。
確定申告書は6つの色で区切られています。
緑、水色、赤、紫、ピンク、黄緑です。
左上の緑の欄から見ていき、紺色部分の47番に確定申告の最終結果、つまり納める所得税額が記載されるようにできています。
右下には還付の場合に振り込まれる口座を記入します。
色別の内容を見てみよう
では上記で述べた6色の色別の欄について、それぞれの内容を見てみましょう。
【緑の蘭】
ここには収入金額等と書かれています。
読んで字のごとく収入の明細です。
自分の収入がどの欄に属するのかを見極め、何も引かれる前の総収入を記入します。
【水色の欄】
ここには所得金額と書かれています。
所得とは緑の部分の収入から、各種控除することのできる金額を差し引いた後の金額です。
控除額は収入別に違うため、注意する必要があります。
【赤の蘭】
ここには所得から差し引かれる金額と書かれています。
一番下の基礎控除は、すべての人に与えられている控除で38万円与えられています。
扶養控除は、家族の年齢、同居の有無、婚姻状態、収入などを考慮して金額が決まります。
現在では、16歳未満の子供には扶養控除はありませんのでお気を付けください。
生命保険、地震保険控除等も既定の式に、当年支払った保険料を当てはめ控除金額を算出します。
また、支払った金額がそのまま全額控除されるものもあります。
社会保険料控除は、会社から天引きされている健康保険や厚生年金、また国民健康保険料、国民年金保険料などは当年に支払った全額が控除されます。
国民健康保険料や国民年金保険料は当年以前のものであったとしても、支払ったのが当年であれば控除にいれることができます。
また、事業主が加入している小規模企業共済等掛金控除も、当年支払った全額を控除に入れることができます。
【紫の蘭】
ここは税金の計算の部分です。
水色の所得の合計から赤の所得控除を差し引いた金額が、この部分㉖の課税所得になります。
この金額に金額別の税率をかけたものが、㉗の個人が支払うべき所得税の金額です。
しかしまだ続きがあります。
当年住宅借入金特別控除や寄付金の税額控除を受けられる人は、この㉗の所得税からさらに差し引くことができます。
それらを差し引いて、最終の所得税が㊳に書かれています。
㊹には個人が当年既に納めた源泉徴収税額が書かれているので、それらを差し引いて最終的な所得税もしくは還付の金額が㊼もしくは㊽に書かれています。
では㊻の予定納税額とは何でしょうか?
国税庁のホームページにはこう書かれています。
その年の5月15日現在において確定している前年分の所得金額や税額などを基に計算した金額(予定納税基準額)が15万円以上である場合、その年の所得税及び復興特別所得税の一部をあらかじめ納付するという制度があります。
この制度を予定納税といいます
つまり来年も税金が多くなることが予想されるため、前もって税金を納めておくということです。
この金額も最終的に出た所得税から差し引くことができます。
【ピンクの欄】
ここはその他と書かれています。
ここにはその年特別に受けた控除額の内訳が書かれています。
例えば専従者給与(事業主の家族に支払った給与)、青色申告特別控除額(10万か65万)などを記入します。
この部分は既に所得税の計算に組み込まれているため、上記の紫の部分の最終所得税にはすでに反映されています。
【黄緑の蘭】
ここは納税を延期したい場合にその金額を記入します。
確定税金×0.5以下の金額を記入します。
このように一つ一つを見ていけば、難しくはありません。
早速自分の確定申告書を観察してみてはいかがでしょうか?