【確定申告】マイナンバーで脱税がばれるのか?
インターネットでマイナンバーという単語を検索すると、脱税という言葉が一緒にヒットします。
多くの人はマイナンバー制度についてあまりよく知らないため、たくさんの情報に翻弄されています。
もちろん脱税はいけないこと。
正直に確定申告する事は何よりも大切です。
また、新しいことを学ぶのもとても大切ですよね。
脱税がばれることを恐れてではなく、新しいことを学ぶという意味で、マイナンバー制度について勉強することは良い事。
ここではマイナンバー制度の目的は何なのか?
この制度は脱税を見抜く助けになるのか?という点を特集します。
マイナンバーの目的
ではマイナンバーの目的は何でしょうか?
それは社会保障と税の管理を一つにすることです。
現在では、社会保障で個人に割り当てられている番号と税を管理する個人の番号は違います。
ですので、社会保障関係の行政と税務署は、国民の情報を共有する点で問題を抱えています。
例えば、役所で何かの公的支援を受けたい場合、所得の証明が必要となります。
その際には、税務署に提出した確定申告書の控えを持って行かなければならないので、私の勤めている税理士事務所にも度々お客様が確定申告書の控えを取りに来られます。
もしマイナンバー制度で個人個人の番号が管理できれば、このような作業は必要ありません。
役所も個人のマイナンバーで収入を確認できるからです。
マイナンバーで脱税がばれる?
脱税は、いつの時代にも存在し続ける問題です。
ではマイナンバーは脱税を見抜く助けとなるのでしょうか?
答えは一部分は見抜く助けとなるということです。
税金と一言で言っても様々な種類があります。
所得税、市県民税、相続税、固定資産税、償却資産税などなど。
今回は所得税と市県民税について詳しくみてみましょう。
所得税の場合
所得税は、個人が提出した書類に基づいて確定申告を行います。
逆を言うと、本人が提出しなかった書類については、税務署は把握しづらいということです。
後に税務署調査などで明らかになることを除いては、個人が申告しなかった収入については明らかになりにくいという事です。
これが脱税につながっていきます。
上記の脱税方法から考えると、所得税に関しては、マイナンバー制度が始まっても、脱税を見破る手間や難易度は変わらないと言えるでしょう。
市県民税の場合
市県民税は、収入元である会社が提出した源泉徴収票や確定申告の資料に基づいて計算されます。
確定申告書は、第二表が市町村へ回されることになっています。
ここで大事なのが、収入元が出した源泉徴収票です。
これは納税者本人が提出するわけではありません。
本人が出したくないと思っても、会社が勝手に提出しているという事です。
しかし現状としては、提出していない会社もあります。
また、個人の氏名で管理していた源泉徴収票だと同姓同名であったりして、複数収入がある人の収入の統合に手間がかかります。
こうなると市県民税が少なく計算され、それがいわば脱税ということになるのです。
しかしマイナンバー制度の開始によって、会社側は源泉徴収票の発行の際、必ずマイナンバーが必要となってきます。
番号で管理することによって、納税者がどこに住んでいようとも、どこで働いているとしても、いくつ仕事を掛け持ちしていても、以前よりも楽に納税者の収入を把握できるというわけです。
つまり、市県民税に関しては、以前よりも脱税がばれやすくなるという事です。
結論として
マイナンバー制度は脱税を見抜くということが第一目的ではありませんが、制度をよく見てみると脱税がばれやすくなることは間違いないと言えます。
逆に考えると、狙って脱税する方は論外ですが、知らず知らずのうちに脱税していた場合は、発覚が早くなるので申告漏れの罰則が軽く済むでしょう。
まだマイナンバー制度が始まってないので、始まったあとも勉強しなければならない事がたくさんありそうです。
私の勤めている税理士事務所でも、連日研修が行われています。
一つの番号で管理できる便利さと、一つの番号で個人の情報が洩れてしまう危険。
この二つはずっと隣合わせになりそうです。